くノ一と別れた男は暮れゆく夕日に染まる塔の中を歩いていた]
夕闇…黄昏――誰そ彼…あらゆるものの輪郭が夕日の光に溶けてあやふやになる。人も、物も、世界の境界でさえも。
塔の中は外界との境界が消失している状態であると、あの天使は言っていた。ならば、と男はその場所へと足を運ぶ。
探索の最中にあった違和感。その感覚を知らないものならば見逃すであろう、微かな綻び。影を渡り、闇に紛れる彼の女神の血族であればこそ、感知することができた“出入り口”の存在。今、この状態ならば…赤毛の天使が寄越した『少しの幸運』がこの身に宿っている今ならば――
果たして…魔力を宿す男の目は、揺らぐ“それ”を捉えていた。
世界の狭間…“界”同士の境界には時折小さな隙間が存在することがある。世界と呼ぶにはあまりに狭く、ほとんどの場合は見過ごされてしまうそれ。不安定でいつ掻き消えるともしれない危うい空間を、しかし繋ぎ止める術を持つ者がいる…それこそが、影を介して空間を渡り、時には支配下に置く闇の女神の末裔、影を従え闇を宿す者たち…ノワールの血族…男の一族である。
だが、先の大戦において異界からの侵略者である“魔族”に大敗を期し、その多くが魔族の順応媒介用として取り込まれたノワールの血族は今や数えるほどしか残されていない絶滅に瀕した者たちだ。生存している者はみな長の指揮下にあり、存在を把握されている。
では誰が、この世界の隙間を固定しているのか…これこそが女神の導きであると確信し、男は小さく息を吐いた。
ざわりと男の足元から、影が這い上がる。
揺らめく世界の狭間への入り口に、影を纏わりつかせたまま…男は一歩踏み込んだ。
馴染み深い術式によって張り巡らされた警戒の糸。一度触れれば瞬く間に術者へ己の存在を示すことになるその糸の隙間を男はひょいひょいと器用に潜り抜けていく。
そうしてしばしの時間を要したのちにたどり着いたのは、広い草原だった。
少なくともこの隙間は、地平線を形成する程度の広さはあるようだ。
それでも世界という枠組みから見れば、小さな部類であるのだろう。
草原はなだらかな丘を形成し、その裾に小さな村が見えた。
黄昏に染め上げられていた空は、今は既に夜の帳を下ろしている。星は見えない…やはり、限りある隙間でしかないようだ。
夕餉の炊事の煙が上がる家々。
その光景を、男は黙って見つめていた。
それは、あまりに懐かしい光景だった。
それは、もはや失われているはずの光景だった。
草原と丘のある風景。
男が生まれた故郷に酷似したその景色に、片方しかない翼が膨らむ。
纏わり付いていた影が濃さを増し、広がって、猫科大型獣を思わせる二頭の獣が這い出てきた。
――グルルルルルル…
牙を見せて低く唸り、男の怒りを代弁するように村を睨み付ける。
獣たちの様子に男はふと視線を和らげ、逞しい首を撫でてやった。
そして、徐に両手に装備していた指貫グローブを外す。
顕わになった男の手の甲には、赤い魔法陣が刻まれていた。
「……盟約の名の下に、我汝を召喚す」
艶を含んだ声が呼ぶ。
「其は深き場所より出でし煉獄の獣 黒き腐敗 赤き真理 焼き払いそして喰らう者――…」
轟、と両手の魔法陣から金色の混じった黒い炎が吹き上がる。
男の呼びかけに応じ、眠っていたそれがゆっくりと目を覚ます…が。
「とっとと起きろ!ルベド!ニグレド!!」
男が獣の名を呼べば、叩き起こされた炎が燃え上がり、燃え広がる。
そうして姿を現したのは、馬ほどの体躯を誇る双頭の狼のような獣であった。
唐突な呼び出しに常ならば文句の一つも言う右の首は、スンスンと周囲のにおいを嗅いで口唇を釣り上げる。ぞろりと牙の並んだ口元からは、楽し気な笑みが零れていた。
「ああ…久々の狩だねえ…」
「うむ…てっきりここでは我らの役目もないかと思っていたが」
「で、どうすればいいの主殿?」
「我らをこの姿で呼んだというのならば……そういうことで構わぬのか?」
「ああ」
立て続けに寄越される双頭の口からの言葉にも、男は一つ頷いて視線を村へと向ける。
一見冷静に見えるその様が、実は荒れ狂う怒りを押し殺しているのだということを獣たちは知っていた。
ゆえに、良い子で主の命令を待つ。
今の主の機嫌を損ねては、楽しい狩がお預けになってしまうからだ。
獣たちの目が男の一挙一動を見守る中、その手はすいと村を指さし、そして――
「焼き尽くし、喰らい尽くし、殺し尽くせ。一匹たりとて逃がすな」
その言葉が終わるか否かのうちに、二頭の獣と双頭の獣が放たれた矢の如く駆け出していく。
影の獣たちは走りながら闇に溶け、双頭の獣は炎と化して村に襲い掛かった。
簡素な家屋は瞬く間に黒い炎に飲まれ、逃げ惑う人々の悲鳴が上がる。
炎から逃れようとする村人の陰から獣たちが次々と襲い掛かり、食らい付き、影の中へと引きずり込む。
男も女も、年寄りも若者も子供の区別もなく、粛々と。淡々と。
それを無感情に見ていた男は、唐突に振り向きざま剣を抜いた。
刃同士が火花を散らし、鈍い音が響く。
視線を合わせた相手は、驚愕に目を見開いていた。
「スルガ様…?!」
呼ばれたその名に、男はうっそりと笑みを浮かべる。
影を渡り、背後からの強襲…血族の基本戦術ともいえるその動きを、かつて自分に最初に教えたその男に、ゆっくりと…いっそ穏やかな口調で口を開いた。
「さぁて…あんたが言うそのスルガは、誰だ?爺様か、父上か…それとも従兄上か」
「…っ!…貴方は…アマネ様…?」
刃のぶつかる音を残して、双方距離を取る。
信じられないものを見る目でアマネを見ているのは老人と呼べる年齢の男だった。
歳を重ねてなお鍛錬をかかしていないのだろう、細身の体は鍛え上げられ、使い込まれた長剣は手入れが行き届いている。この男が戦いを忘れていない証拠だ。
「…三十年ぶりか。とうに死んだと聞いていたんだがな」
「死んだも同然にございましょう。翼を捨て、故郷を捨てた私は最早…」
「故郷を捨てた…ねえ?」
構えを解いて、アマネは黒剣の腹で肩を叩くと同時、ちらりと視線を燃え盛り、悲鳴と怒号が飛び交う村へと向けた。
「……捨てたというのなら、アレはなんだ?」
「アマネ様…」
「ブルーメ平原は、焼き払われて今や荒野だ」
「…アマネ様」
「クィカトルの丘は大規模魔法で跡形もねえ」
「…アマネ様、どうか…」
「村は魔族の蹂躙を許した汚点として語られ、廃墟の存在すらも許されなかった」
「アマネ様!!」
男の悲痛な叫びがアマネの言葉を遮る。
ゆるりと視線を戻し、剣を構えながらも酷く痛みを耐えるようなその表情に、眉を眇める。
「ノワールの血族は、“門番”の一族。人知れず“界”を侵してくる奴らを、人知れぬまま闇へと屠るのが使命…それだってのに……あんた…ここで何をやっていた?!師範!!」
怒号と共に黒い刃が振るわれ、再び刃と刃がぶつかり合う。
「狩るべき対象を匿い、あまつさえ増やすなんざ、どこまで堕ちた!!」
「どうか!どうかお許しください…!」
「許せだ?馬鹿言うんじゃねえ!!」
打ち合う斬撃は苛烈さを増し、一合ごとに手が痺れる衝撃が伝わる。
それでも双方、手を止めることなどできなかった。
「魔族の種が植えつけられていたとて、発芽せぬ者もおります!せめて、子供たちはと…!!」
「阿呆が!発芽しねえ種だって次世代以降には芽吹く!必ずだ!!」
「しかし!」
「しかしも案山子もねえよ!血族が!何百年!何千年!助ける手立てを模索したと思ってる?!」
異界種である“魔族”に侵された魂は、死を以てしか解放されない。
創成を担った六柱の神々ですらそう結論付けたからこそ、ディオクレティア大陸には神々の加護が与えられ、その力を宿した聖なる武具…聖具が各王家に伝わっている。
そして、王を定めず国を持たない闇の女神の末裔たちは、その存在自体が生きた聖具だった。
女神の手足として“界”を侵す魔族たちを狩り続け、人々を守って来たのだ。あの日までは。
「どれだけ抑止の術式を重ねても、三代まではもたない。それ以降の代は体が術式に耐えられねえ…侵され、汚された魂を真の意味で助けることができるのは、“我らが母上”のみ……そのために、俺たちは殺す。そうすることで救う……俺にそう教えたのは、あんただろうが!!」
「それでも!」
老人が叫ぶ。
分かっている、理解している…それが伝わる叫びだ。
そして、続く言葉が許されないものであることもまた、双方分かっていた。
「それでも、我が妻でした…我が子でした!!」
「だったらなぜ殺してやらなかった!!大切だったなら!愛しているのなら!」
「私には…」
アマネの剣撃が老人の腕を剣ごと斬り飛ばし、老人の言葉が途切れる。
膝を着いて溢れる血潮にまみれながら、それでも老人は途切れた言葉を紡ぎ直した。
「私には…できなかったのです…どうしても…」
それきり力なくうなだれ、すすり泣く老人の姿に、アマネは深く息を吐いた。
できないでは、許されない。
それが許されてしまったら、ノワールの血族がいる意味がない。
助けを求める手を振り切って、慈悲を乞う声を遮って、粛々と容赦なく魔族を、魔族に侵された者を狩る。
時として人々から怨嗟の声を向けられるのだとしても、人々が平和に暮らすために、愛する人を手にかける必要がないように、憎まれると分かっていてもその役目を負うことを宿命付けられたのが、闇の女神の末裔…人々の負の感情すらを戦う力に変える者たちなのだから。
――アマネ
獣の唸り声に交じって名を呼ばれたかと思えば、足元に双角の獣がすり寄って来る。
――終わった
「そうか…」
頷けば、もう一頭の一角の獣も戻って来た。
――もう残ってない。全ての子らは、女神の御許に
「ああ…ご苦労さん」
表情を緩めて喉を掻いてやると、獣たちは嬉し気にグルグルと喉を鳴らして喜びを示した。
そのやり取りを見ていた老人が声を絞り出す。
「アマネ様の影獣でございますか…」
「ああ」
「複数の細君を得られたのですな…」
「すったもんだ色々あった果てにな」
「……細君方が魔族に侵されたなら、貴方はどうなさるおつもりか」
「知れたこと」
ふ、と鼻で笑う。
そんなことは、とうの昔に。
「殺すさ。他の誰でもない、俺の手で……あいつらは、俺のだからな」
愛しているだなんて言葉では、到底足りない。
この魂は、彼女ともう一人の伴侶によって生かされているのだ。
だから、もしもそういう事態になったなら、殺していいかと彼女に聞いた。
彼女は笑って言ったのだ…あなた以外はお断りだと。
必ずあなたが殺してと。
もう一人もまた、何を分かりきったことをと呆れ果てて…そして、その手を伸ばした。
その時はお前も連れて逝くからと…そう言ってくれたのだ。
アマネが彼らを欠いては生きていけないことを、本当の意味で理解してくれていたから。
「貴方は……真に、ヴィグリードの男となられましたな…」
「当然だろう。でなければ、俺が生きている意味がない」
幾多の人々を犠牲にし、さらに多くの人を手にかけてなおふてぶてしくも生きるのは、そう望んでくれる人の願いがあるからだ。
幾千幾万の怨嗟の声が上がろうとも、翼を失おうとも、共に生きてと願う人がいるから。
失った故郷にも勝る、自分が羽ばたくための【空】――その願いを妨げる者がいるならば、全て斬り捨て蹴散らすまでだ。
黒剣を両手で持ち、振り上げる。
「残す言葉は?」
「ありませぬ」
「なら、もういいな?」
「はい……おさらばに、ございます」
短いやり取りを経て、刃が振り下ろされた。
ぐらりと老人の体が揺れて、頭が落ちる。
倒れ伏した体は瞬く間に衣服が血を吸い、赤く染まった。
「いや~…終わった終わったァ!お腹イッパーイ!」
空気を読まずに上機嫌に戻って来た双頭の獣に、ため息が漏れる。
「ニグレド、お前はほんっとなんていうか……残念だな」
「ハァン?!ちょっとそれどういう意味ヨ主殿…って、あらァ…?このヒト…」
「塵に還らぬ…と、いうことは、この者は魔族に侵されてはいなかったか…」
「そうだな」
「…よかったのか、主殿?」
「このヒト、血族のヒトだったんデショ?長殿に叱られない?」
「問題ねえよ」
剣の血を振り払い、鞘に納めながら事切れた老人の亡骸を見下ろし。
「斬れねえ剣に、意味はねえからな」
そのまま、踵を返す。
「あ!待って主殿!じゃあサ!じゃあサ!食べて良い?!」
「お前さっき腹いっぱいつってたろうが」
「まだイケる!!」
「……好きにしな」
「ワァァァイ!!」
轟と炎に包まれる老人の遺体を一瞥すらすることはなく、男は再び歩き出す。
「あーぁー…報告書が長くなりそうだ……こりゃ土産増量しねえとかねえ…」
呟いた声は、闇に紛れて消えていった。
塔ある世界の誰とも知れない小さな狭間で、男の探索はようやく終焉を迎えたのである。
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梢を風が揺らしている。
故郷では気にしたことの無い音は今やすっかりカサネの耳に馴染んでいた。
この世界に召喚されてからおよそ2ヶ月余り。
城内の決戦より1週間と少し。
カサネたちが人知れず戦っていた頃の表舞台で王は倒され、一揆の原因となっていたネクター独占問題も解決し、存亡の危機すら乗り越えていた。
お陰で、メルンテーゼは今日も在る。
カサネもまた、ここで自身に課せられた役目を終えていた。
お世辞にも自力でとはいえない状況ではあったが、どうやらそれも見越されていたようだ。
カサネに体を返す間際、彼はそう言っていた。
現実ではほんの一瞬にも満たなかったその間に、カサネは彼と話をした。
血族のこと、役目のこと、大事な人のこと…色々なことを。
そして彼はカサネに問いかけた。
血族の業を、これからも背負う覚悟はあるのかと。
カサネは答えた。
それが、あの人を守ることになるのなら、と。
答えを聞いた彼は、やはりお前は血族の子だと笑った。
笑って、背を押してくれた。
カサネの想いも、覚悟も知ったその上で、お前の好きにすればいいさと叩くように背を押して、そうしてそこで終いになった。
今はもう、あの深い場所への行き方が分からない。
だがきっと、それでいいのだろう。
* * * * * * * * * *
元の世界に帰るための方法も教えられてはいたが、カサネはしばし留まった。
その間に周囲の状況を知り、世話になった人たちの足取りを可能な範囲で追って、ようやく安堵した。
自分が用済みとなったことを確認できたからだ。
そうなると、長居は無用である。ようやく、帰るための準備を始めることとなった。
元の世界に帰るにあたって、エンブリオたちとの契約も解約した。
元々この世界の生まれではないクレノとニグレド、ルベドは変らずカサネの従者として付き従うつもりらしい。
セトルと紫紺は帰還に基づく契約破棄に納得し、短い別れの言葉を交わして本来の住処に戻って行った。
エンジェルのエンブリオはほっとした様子で明滅した後姿を消し、レヴナントはそろそろ静かに眠りたいというので、彼を留めていた術式を解き、輪廻の環へと送り出した。
アウインは散々泣いてごねていたが、業を煮やした辰砂に嘴で突き回され、足蹴にされた挙句に気絶したところを鷲掴まれて飛び去っていった。最後まで騒々しい2匹であったが、彼女達らしいといえばらしい別れだったのかもしれない。
「本当に、いいのか?」
「ええ…」
念を押すカサネの言葉に、朽葉は苦笑して肩を竦める。
元来はエンブリオではないのは彼女も同じで、ならば“界”を越えるのもそう難しいことではない。
ルベドが何かと朽葉を気にかけていたこともあって、カサネは彼女に共に来ないかと持ちかけたのだ。
しかし、彼女の答えは「否」だった。
「言ったでしょう?私はここでの暮らしを結構気に入っているのよ」
目が見えなくとも、彼女が然程生活に不便を感じていないことは知っている。
ルベドもそのことは既に承知しているのだろうに、どうにもそれだけではないらしい。
何かを言いたそうにしているのだが、言葉を探しているのか、あるいは言えずに口ごもっているのか…結局、苦いものを飲み下すような渋面のまま口を開くことはなかった。
カサネが視線だけでルベドにも朽葉と同じことを問えば、左の首は溜息の後に緩く首を振る。
この娘は言い出したら聞かない…そんな風に思っているようだった。
今一度、朽葉に視線を戻す。
閉じた瞼も、口元の微かな笑みも穏やかで静かだ。何かを隠している様子も、無理をしている様子もない…と、思う。
本人がそういうのであれば、無理強いをするわけにもいかない。
カサネはしばしの逡巡の間を置いて、そろりと手を差し出した。
その手を朽葉は見えているかのように察して正確に握り返す。
「元気で」
「貴方も…」
それじゃ、とどちらともなく手を離す。
振り向かずに進むカサネが森に消え、その気配が探知外になるまで、樹妖はただ静かに佇んでいた。
* * * * * * * * * *
梢が風に揺れている。
朽葉の森とは同じようでいて違ったものに聞こえるのは、この場所がカサネにとって特別だからだろうか。
この場所にあの人が来ることはもうない。
カサネは自分の印がこの世界から消えたことを知っていた。
それはふつりと糸が切れるような唐突さで文字通り掻き消えるようにして無くなった。
一揆の終結を知っていなければきっと動揺しただろう。
自分の身に刻まれた印がなければ、あるいは…
けれどそうはならなかった。
彼が在るべき世界に、一番大事なもののところに戻っていったのだということをカサネは知っていたから。
知り合ってまだたった2ヶ月。
想いを寄せて、それが受け入れられてからはもっとずっと短い。
でも、それが分かる程度には彼の人を知ることができた。
約束を信じられる程度には自信を持つことができた。
息を吐く。
この場所であの人と会うことはもうない。
次に会えるのはいつなのかも分からない。
十年後なのかもっと先か……
——…何があろうと、何処に居ようとも
あの人の声が蘇る。
印が刻まれた場所の奥が熱を持つ。
――俺もお前も…帰る場所は、ここだ
服の上からその手に掴むようにして拳を握る。
大丈夫。
何があっても、何処にいても、どれだけ時間がかかっても…必ず。
灯った火は消えない。
抱えた想いは絶えない。
交わした約束は潰えない。
紫眼が煌く。
“絶対”を得たカサネのそれは、最早この世界に来たばかりの頃とは別物だ。
顔を上げる。
もう他者の視線に必要以上に怯える必要はないのだ。
歩を踏み出す。
魔力が構成術式に従って走り、描き、紡ぎ、繋ぐ。
一瞬の浮遊感。
闇に包まれた視界は一転、見慣れた景色へと。
懐かしさがないのかと問われれば嘘になる。
安堵がないかといえば否と応える。
ここは帰らねばならぬと願った場所には違いない。
だが、それも最早通過点。
空の色も木々の歌も風の匂いも知らないけれど、カサネの帰る場所は他に在る。
立ち止まらずに恐れずに、青年は一歩を踏み出した――
もう面倒くせェ!会場こっちに移すぞ野郎ども!!!!(
ということで、現在進行形で進めております『第3回寝起きdeトトカルチョ』。
twitterだと文字数が少ないんで、随時此方を編集していく形にしたいと思います。
タンブラ?使い方分かんね!
[概要]
例によってつくもさんが『に、2時間たったら起こし て … (((:D【毛布】』と
17時くらいに安らかな眠りに着いて以降、20時回っても起きて来ないので
私、ダンボール夏波とカゲロさんが「恒例のアレしますか」「いきますか!」と
悪乗りした結果始まりました。
まぁ、大体いつも通りです(´∀`)
前回のトトカルチョの様子は二つ下の記事を参考に。
ということで、以下はルールや参加者など
ということで、現在進行形で進めております『第3回寝起きdeトトカルチョ』。
twitterだと文字数が少ないんで、随時此方を編集していく形にしたいと思います。
タンブラ?使い方分かんね!
[概要]
例によってつくもさんが『に、2時間たったら起こし て … (((:D【毛布】』と
17時くらいに安らかな眠りに着いて以降、20時回っても起きて来ないので
私、ダンボール夏波とカゲロさんが「恒例のアレしますか」「いきますか!」と
悪乗りした結果始まりました。
まぁ、大体いつも通りです(´∀`)
前回のトトカルチョの様子は二つ下の記事を参考に。
ということで、以下はルールや参加者など